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企業動向 2024.07.02

「メガネなしのXR体験」を目指すDistance Technologiesが資金調達。元Varjo創業者らが設立

6月13日、フィンランドのDistance Technologiesは270万ドル(約4.4億円)のプレシード資金調達を発表しました。同社の技術は「あらゆる透明な表面を、XR体験の“窓”にする」と語り、メガネやヘッドセット不要のXR体験を提供することを目指しています。

液晶パネル×視差バリア×ソフトウェアで「ガラスを3Dディスプレイに」

Distance Technologiesは、フィンランドの首都ヘルシンキの企業です。なお、創設者兼CEOのUrho Konttori氏、創設者兼CMOのJussi Mäkinen氏は、「人の眼レベルのVR」を実現する超高解像度VRヘッドセット企業、Varjoの重役を務めていました。Varjoはソフトウェア・ハードウェアともに高い技術力で知られており、(事実上独立した)Distanceの技術力にも期待が持てます。

Distance Technologiesの技術は、直近で開催された世界最大規模のXRカンファレンス「AWE USA 2024」にて、ごく一部の関係者を対象とするデモ体験が行われました。

米メディアThe Vergeによれば、Distance Technologiesのデモでは反射コーティング済みの液晶パネルを使用し、自動車のフロントガラスには映像を投影するシステムを採用。さらに左右の眼で見る映像をずらす「視差バリア」により、立体的に映像を見ることができます。これらの技術により、「自動車や航空機の窓などを、メガネなしで、半透明な3Dディスプレイに変える」ことができます。

2024年6月時点で、Distance Technologiesの技術は、主要な自動車メーカーや航空産業、防衛企業などによる評価が進行中。将来的にはハードウェア・ソフトウェアともに改善し、よりスマートな形態での提供を目指すしています。また、AIや検索エンジン、各種カメラ・センサーと連携し、ユーザーへの高速かつスムーズな情報提供を行うことをねらいます。

(参考)Distance, The Verge


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