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活用事例 2024.07.03

キヤノンITSら、医療向けに複合現実トレーニングシステムを発表。肺の立体構造を直感的に学ぶ

キヤノンITソリューションズ株式会社は、MRトレーニングシステム「MR Anatomy」を、2024年7月上旬に提供開始します。このシステムは、CTスキャンで撮影した肺の構造を複合現実(MR、Mixed Reality)で観察できる、医療従事者向けのトレーニングソフトです。これにより、医療現場での手術の精度向上が期待されます。


(「MR Anatomy」の使用イメージ。開発には日本メドトロニック株式会社、キヤノン株式会社、ザイオソフト株式会社が協力した。 画像: キヤノンITソリューションズ)

2Dではわかりにくい臓器、3Dで直感的に 年内導入予定も

「MR Anatomy」は、キヤノンのMRシステム「MREAL」を通して、実寸大の3Dモデルを現実空間に重ねて表示します。3Dモデルは、ザイオソフトのシステムで処理されたCT画像をもとに生成されており、従来の2D画像では把握しづらかった肺の病変、血管の走行などを立体的に閲覧できます。さらに、使用者は、指で3Dモデルの回転や移動、拡大・縮小を行うことも可能です。


(画像: キヤノンITソリューションズ)

セットアップは、ノートPCなどに専用アプリをインストールし、CT画像から作成された3Dモデル(OBJ形式)をドラッグ&ドロップするだけです。ソフトウェアの月額利用料は税別で25万円、キヤノンのMRデバイス「MREAL X1」を通じて3Dモデルを閲覧します。

キヤノンITソリューションズは、2024年中に「MR Anatomy」を4施設の呼吸器外科に導入予定。3年以内に、30施設への展開を目指します。将来的には肺以外の臓器への応用や、術前シミュレーションの需要が高まることを見込み、より広範な医療機器としての申請も検討中です。

(参考)キヤノンITソリューションズ


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