矢野経済研究所は、“オタク”とメタバースに関する消費者アンケートの結果と考察を発表。メタバースの認知率や、サービスの市場ポテンシャルを推計した調査報告を公開しました。
今回の調査は2月から3月にかけて、国内の15~44歳の男女2万人を対象に実施。「自分のことをオタクだと思う」と回答し、8分野(「アニメ・漫画・ライトノベル」、「テーマパーク」「VTuber」など)のいずれかを趣味として、過去1年間にいずれかの領域で1万円以上を支出した人(合計2,098人)を“オタク”と定義しています。
報告によると「フォートナイト」や「VRChat」といったメタバースの認知率は、非オタク層(31.3%)よりも、オタク層で(52.0%)高いという結果が得られたとのこと。矢野経済研究所は、アンケート結果であると前置きしつつ、「(オタクは)メタバースサービスとの親和性が高い」と分析しています。
“オタク”と分類された2,098人には、8分野の趣味に直近1年間でどれだけ支出したかを質問。回答された支出金額合計から1人あたりの年間支出の平均金額を算出し、推定人数を掛けあわせて、推定市場規模が算出されました。
また、各推定市場規模ごとに親和性が高いと考えられるメタバースのマネタイズ方法を設定し、「イベント参加費」「ワールド使用料」「アバター販売」の3種類に分類する試みも行われました。この結果「ワールド使用料」の市場規模は709億円、「イベント参加費」の市場規模は980億円、「アバター販売」の市場規模は270億円となり「オタク」向けメタバースサービスの市場ポテンシャル合計は1,959億円に達するという(推定)結果が得られたとのこと。
矢野経済研究所は、調査から「“オタク”をターゲットにしたメタバースサービス市場は一定以上の大きさがあり、“オタク”向けサービスはメタバース普及の足がかりになると期待できる」と結論付けています。
(参考)矢野経済研究所