1945年8月6日午前8時15分、広島に原子爆弾”Little Boy”が投下されました。2万人の日本人戦闘員と2千人の韓国人労働者を含む7万人が一瞬で犠牲となり、その後も9万~16万人以上と言われる人が、後遺症などで亡くなりました。
それから73年。広島県の高校生たちが、原爆の惨状を伝えるVRコンテンツを制作しました。
原爆投下前後の広島を体験
広島県立福山工業高等学校の生徒らは、2年以上をかけて5分間のVRコンテンツを制作しました。視聴者はまず、原爆投下前の広島市街地に降り立ちます。元安川の川岸を歩いたり、爆心地の島病院の中庭に入ることもできます。
すると突然閃光が走り、晴れた空は煙で覆われて真っ暗になります。大きな爆発音が響いて、建物は爆風で崩壊していきます。
VRなら言葉がなくても理解できる
制作した生徒たちは皆、原爆から半世紀以上も後に産まれ、当時の様子を知りません。生徒たちは史料の写真やポストカードなどを使い、最も正確に原爆投下を再現するよう作業を進めました。
生徒の一人は次のように話しています。「言葉がなくても映像を見ただけで、理解することができます。これは間違いなく、VRの長所の1つです」
また他の生徒も「原爆投下前後の建物を再現するために何枚もの写真を見て、原爆の恐ろしさを強く感じました」と感想を述べています。「この情景を再現しているとき、他の人に見てもらうことがとても大事だと思いました」
また原爆の体験者に実際にインタビューを行い、VRコンテンツへのフィードバックも得ました。制作を担当した教諭によれば、「当時の様子を知る人に確認したところ、とても良くできているということです。非常に懐かしい光景だと言われました」と、好意的な感想を得ることができました。
昨年は米大手メディアのニューヨーク・タイムズが、原爆投下を伝える360度ドキュメンタリーを公開しました。
(参考)VRScout
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